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【トップチーム情報】地域決勝 決勝ラウンド vsSC相模原戦

2011.12.06

固い結束力でつかんだ勝利。 地域決勝大会3位でJFL昇格権を得る。

 

 勝ちたいという強い気持ちが相手より勝っていた。  この試合で見せたHOYOのパフォーマンスは、明らかにこれまでと違っていた。ホイッスル直前、スタッフと選手全員がベンチ前で円陣を組み、大事な一戦に臨んだ。開始1分の間に、佐藤亨、堀健人が立て続けにシュートを放ち、反撃の狼煙を上げた。みなぎる闘争心を糧にピッチを疾走し、相模原ゴールに畳み掛けた。19分に古賀宗樹のパスに反応した中嶋雄大がペナルティエリア内で倒されPKを得る。中嶋が自らそのPKを蹴り、幸先良く先制点を奪った。ただ、早い時間でのアドバンテージはHOYOに積極性を奪った。ビルドアップすべきところで落ち着いてパスを回せず、ロングボールに頼りすぎた。時間が経つにつれて相手の中盤にボールをつながれ、優位に試合を進ませた。相手の攻勢をもろに受けることになったが、自陣で9人がブッロクをつくって耐え凌ぎ、1点リードのまま前半を終えた。

 後半、このままの戦い方では逃切れないと分かってはいたが、とにかくゴールを与えない戦いを選択した。  中嶋雄大は振り返る。 「今大会、4チームのなかで自分たちが一番弱いのは分かっていた。割り切って弱者の戦い方をするしかなかった」  HOYOはこの大会を通して、どこで勝負しないといけないのか、耐えなければならないのか。そういう経験を積んでいくことで、全員が共通意識を持てるようになった。

 HOYOサポーターから悲鳴が起きたのは、60分。中途半端なクリアからCKとなり、混戦から押し込まれ痛恨の失点。だが、HOYOの選手に焦りの色はなかった。これまで幾度とどん底にたたき落とされても、這い上がってきた“諦めない気持ち”があった。その勝負強さの集大成を、この最終節の舞台で披露した。  しっかりと耐えながらも隙をうかがい、HOYOが攻勢をしかけたのは65分。左サイドで佐藤亨がキープし、交代したばかりの原へ。「シュートコースが見えたので枠に入れることだけを考えて打った」と原のファーストタッチとなる渾身のインステップシュートが、ゴールに突き刺さった。

 またもリードを許した相模原は、前線の枚数を増やし、逆襲を試みる。しかし、HOYOの堅守が揺らぐことは、最後までなかった。  HOYOがここまで勝ち進んだのは、間違いなくこの堅い守りによるものだ。 「ウチはスーパープレーヤーはいないが、どこにも負けない強い気持ちがあった。誰が試合に出ても同じ気持ちで戦えた」(ブレノバレンチン監督)  決して自分たちが強いチームだとは思っていない。だが一人ひとりが、ほとんどボロボロになるまで走り抜き、気迫を前面に押し出してチームプレーに徹する。HOYOの固い結束力を見た気がした。

 地域決勝大会で3位。JFLへの自動昇格は、試合終了時点では定かでなかったため、選手に喜びの表情はなかったが、今できる全てを出し切った達成感は漂っていた。

 

 (スポーツライター/柚野真也)

 

 

ブレノバレンチン 監督

昨日、今日とチームの気持ちの切り替えが素晴らしかった。ウチはスーパープレーヤーはいないが、どこにも負けない強い気持ちがあった。誰が試合に出ても同じ気持ちで戦えた。みんな疲れていたなかで最後まで走った。(決勝ゴールを決めた)原のシュートは素晴らしかったし、(急遽スタメン起用となった)野寺もビッグセーブを連発してくれた。勝てて本当に良かった。選手に感謝したい。

 

原一生 選手

これまでのサッカー人生で最高のシュートだった(笑)。(佐藤)亨がキープしてくれたフリーになったところにパスがきた、シュートコースが見えたので枠に入れることだけを考えて打った。苦しい3日間だった。肉体的にも精神的にもきつかった。なんとか3位に入ることができて良かった。

 

野寺和音 選手

スタメンは試合表提出のギリギリに決まった。船津さんの膝の古傷が悪化したらしくて、ホント急遽出番が回ってきたって感じでした。でも、ずっと準備はしていたし、緊張することなくすんなりと試合に入れた。ある程度押し込まれる試合になると分かっていたし、みんながしっかり体を張ってくれたので最少失点で抑えることができた。

 

中嶋雄大 選手

ことしは昇格を目標にしてきたので結果出て良かった。PKの場面は(堀)健人さんに「蹴ろよ」と言われたので蹴った。試合内容は相手がほとんどポゼッションしていたと思うけど、しっかりブッロクして耐えることができた。4チームのなかで自分たちが一番弱いと分かっていたので、割り切って弱者の戦い方をできたのが良かった。